不動産の売買や相続をする際には、登記簿謄本を取得する必要があります。
今回は、不動産の登記簿謄本の概要や、取得方法などについて解説します。
不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)とは、日本国内に存在する不動産の物理的な情報や権利関係を法務局が管理・記録した公的な文書のことです。
不動産の登記簿謄本に記載されている内容は、大きく以下の3つに分けられています。
登記簿謄本の表題部には、不動産の物理的な情報が記載されています。
不動産が新たに発生した際には、表題部の作成が義務付けられます。
登記簿謄本の権利部の中の甲区には、不動産の所有権の歴史が時系列順に記録されています。
甲区の最新の欄を確認することで、所有者が誰であるかを正確に把握することが可能です。
登記簿謄本の権利部には、甲区の他に、乙区があります。
乙区には、所有権以外のすべての物権や権利関係が記録されます。
代表的なものは、銀行などから融資を受ける際に設定される抵当権です。
抵当権が設定されている場合、以下の項目が乙区に明記されます。
債権額
利息
債務者の氏名
抵当権者
住宅ローンを返済し終わっても自動的に乙区の記録が消えるわけではなく、抵当権抹消登記の手続きを踏む必要があります。
不動産の登記簿謄本を取得する方法としては、次の3つがあります。
平日の午前8時30分から午後5時15分までの受付時間内に最寄りの法務局へ出向き、窓口で不動産の登記簿謄本を受け取ります。
申請は、備え付けられている登記事項証明書交付請求書に必要事項を記入して手数料分の収入印紙を貼り付けることで完了します。
比較的待ち時間が短く、その場で取得できるというメリットがあります。
法務省が運営するウェブサイトを利用して登記簿謄本を取得することが可能です。
証明書請求の画面から交付請求データを送信し、インターネットバンキングやATMから指定された手数料を電子納付します。
受け取り方法としては、指定の住所へ郵送してもらうか、最寄りの法務局の窓口に赴くかの2通りがあります。
窓口受け取りを選択すると、最も低いコストで登記簿謄本を取得できます。
必要書類を郵送して書面で不動産の登記簿謄本を請求する方法もあります。
この場合、法務局のホームページ等から印刷した登記事項証明書交付請求書に必要事項を記入し、収入印紙を添付して法務局に郵送します。
返送用の郵便切手を貼り付けた返信用封筒を同封することを忘れないようにしましょう。
投函してから手元に現物が届くまでには、概ね数日から1週間程度の期間を要します。
不動産の登記簿謄本を取得する際には、以下のことに注意してください。
登記簿謄本を申請する際、地番・家屋番号を記入すべき欄に、普段使用している郵便物用の住所をそのまま記入してしまうケースが少なくありません。
住所は、郵便物や人が建物にたどり着きやすくするために市区町村が定めた符号です。
一方で、地番・家屋番号とは、法務局が土地や建物ごとに割り振った独自の管理番号です。
登記簿謄本を取得するには、住居表示ではなく、地番や家屋番号を正確に指定しなければならないことに注意してください。
地番を調べる方法としては、毎年春頃に役所から届く固定資産税の納税通知書の課税明細欄を確認するか、物件購入時の権利証を参照することがあります。
手元にこれらのデータがなければ、管轄の法務局に照会することをご検討ください。
法務局で発行される登記事項証明書には、記載範囲に応じていくつかの種類が用意されています。
提出先が求めている客観的なデータに適合するものを正確に選ばなければ、後から再取得を命じられるリスクがあるため、注意してください。
たとえば、一般的な不動産取引や税務署への確定申告において指定されるのは、原則として全部事項証明書です。
全部事項証明書には、過去の所有者の履歴からすでに抹消された過去の抵当権のデータにいたるまで、すべての情報が印刷されています。
一方で、過去の経緯を省略して現在の情報のみを抜粋した書面を、現在事項証明書といいます。
今回は、不動産の登記簿謄本の概要と、取得方法などについて解説しました。
登記簿謄本の取得には、3つの方法があります。
それぞれに要する時間や費用を考慮して、ご自身に最適な方法を選択しましょう。
登記簿謄本に関してお困りの場合には、司法書士に相談することを検討してください。