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抵当権抹消登記はいつ行う?手続の流れも併せて解説

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住宅ローンを完全に返し終えたときや不動産を売却するとき、また新しい融資を受ける場合には、抵当権抹消登記が必要になる場面はさまざまです。
本記事では、抵当権抹消が求められるタイミングや手続きの流れについて詳しく説明し、スムーズな不動産取引を進めるためのポイントをご紹介します。

 

抵当権抹消登記が必要となるタイミングとは

抵当権抹消登記が必要となる主なケースは、以下の3つの場合です。

  • 不動産を売却したお金でローンを完済したとき
  • 抵当権設定物件を相続したとき
  • 不動産を担保に新規融資を受けるとき

この3つの場合においては、抵当権抹消手続きが必要になります。
特に物件を売却する場合や新たに融資を受ける場合には、取引をスムーズに進めるために事前に抹消手続きを終わらせておくことが大切です。
以下では、各状況での具体的な方法について解説します。

 

不動産を売却したお金でローンを完済したとき

不動産の売却を契約した段階では、契約書類への押印だけが行われ、登記(所有権移転登記や抵当権抹消登記)はまだ実施されません。
契約時に登記手続きが発生しないという点は覚えておきましょう。
住宅ローンが残る物件を売却する場合、残金決済と物件引き渡しのタイミングで抵当権抹消手続きを同時に進めます。
この時点でローンを完済し、登記簿上の抵当権を完全に消去するという流れになります。

 

抵当権設定物件を相続したとき

抵当権を抹消する条件は、該当するローンを完全に返済していることです。
物件を相続しただけでは、ローンは自動的になくなりません。
そのため、抵当権がついたままの不動産を相続しただけでは抹消できません。
例外として、親がすでにローンを全額返済済みだったにもかかわらず、抹消手続きを行っていなかった場合は、相続人が抵当権抹消手続きを行うことになります。

 

不動産を担保に新規融資を受けるとき

借入金をすでに返済しているケースでは、新たな融資を受ける前に、以前の債務に関する抵当権は必ず抹消しておきましょう。
抵当権がついたままの場合、新規の融資額が大幅に減少したり、最悪の場合は融資自体が受けられなくなる可能性があります。

 

抵当権抹消登記を実施する場合の流れ

抵当権抹消の実施は、次の4つのステップで進めていきます。

  1. 必要書類を準備する
  2. 管轄法務局の確認する
  3. 申請書を入手し記入する
  4. 法務局へ申請する

以下では、それぞれの手続きについて詳しく見ていきましょう。

 

ステップ1: 必要書類を準備する

はじめに、抵当権抹消登記に必要となる以下の書類を用意しましょう。

  • 登記申請書
  • 登記済証または登記識別情報
  • 登記原因証明情報または弁済証書
  • 抵当権抹消の委任状
  • 場合によっては銀行の資格証明書

登記済証または登記識別情報は、抵当権設定時に法務局から発行される非常に大切な証明書類です。
これらの書類は抵当権設定時には金融機関が保管し、ローンを完済した後に所有者の自宅へ届けられるのが一般的です。
現在は主に登記識別情報が発行されていますが、以前は登記済証が使われていました。
抵当権設定の時期によって書類の種類が違うため、いずれかを確実に準備しましょう。
ローンを全額返済したことを証明する書類が、弁済証書です。
抵当権抹消を実施する際、住宅ローンを完済した場合は「弁済」が登記原因となるため、銀行から送られてくる弁済証書を法務局に提出する必要があります。
委任状については、住宅ローンを組んだ金融機関が抵当権抹消登記を依頼するための書類です。
本来なら抵当権者と所有者が一緒に登記申請をおこないますが、通常、抵当権抹消の場合は、銀行からの委任状を活用して所有者が単独で手続きを進めることになります。

 

ステップ2:管轄法務局を確認

不動産の所在地によって、手続きをおこなう法務局は違うため注意が必要です。
抵当権抹消手続きは、物件が建っている場所を管轄する法務局でしか実施できません。
担当する法務局については、法務局の公式サイトから簡単に調べることができます。

 

ステップ3:申請書を入手して記入

入手した登記申請書に必要事項を記入していきます。
申請書は法務局の窓口で直接入手できるほか、インターネットからダウンロードして自宅や職場でも簡単に取得可能です。
登記申請書には、「登記の目的」「原因」「抹消すべき登記」「権利者と義務者」「添付情報」「申請日と申請人情報」「登録免許税」「不動産の表示」などを正確に記入しましょう。
法務局の公式サイトでは記入例も提供されているため、具体的な書き方がわからない場合はそれを参考に記入します。
記入漏れがないように、各項目を丁寧に確認しながら記入してください。
誤りがあると再申請が必要になる場合もあるため、慎重に記入することが大切です。

 

ステップ4:法務局へ申請

必要な書類をすべて準備し、申請書への記入が完了したら、法務局に申請書を提出し、抵当権抹消登記を申請します。
審査完了までは通常1〜10日程度かかります。
申請方法には法務局窓口への直接持参や郵送が一般的ですが、マイナンバーカード所持者はオンライン申請も可能です。
ただしオンラインで申し込んだ場合でも、受付後、2日以内に必要書類を郵送するか直接登記所に持参する必要があります。

記入方法に不安があったり疑問点がある場合は、法務局の窓口に直接訪問することがおすすめです。
窓口では担当者が書類の不備や間違いを指摘してくれるため、手続きをよりスムーズに進められるでしょう。

 

まとめ

抵当権抹消登記は、不動産を売却する場合や相続、新たな融資を受ける場合に必要となる重要な手続きです。
この手続きは、必要書類を準備し、管轄法務局の確認し、登記申請書に記入し、そして法務局への申請を行うという流れで進行します。
ローン完済証明書や登記識別情報などの特定書類が求められるため、正確な手続きには専門知識が必要です。
抵当権抹消に関する不安や疑問がある際は、専門家である司法書士への相談をおすすめします。